ずんこ

2020年7月19日3 分

あつまってできるさかいめ

どうも最近さかいめが気になっているずんこです。

本当にいろんなさかいめがあっておもしろい、、、と思っているのですが、

今日は「集まってできるさかいめ」について、すこし。

ひとはたくさんの属性(アイデンティティ)をもっています。
 
年齢。性別。人種。出身。趣味嗜好。経歴。職業。・・・


 
共通項を探しましょう、なんてアイスブレイクがあったり。
 
ちょっとした共通点でぐーんと身近に感じたりすることもある。
 

その一方で、同じものばかりが集まると、さかいめができる。
 
性別とか。学閥とか。キノコ派かタケノコ派とか。そのほかにもたくさん。

これはいったい何なのだろう??
 
線が引かれるというより、同じものが凝集することで浮かび上がってくるライン。
 
そんな「集まってできるさかいめ」が気になってきました。
 


 
考え始めてまず思い出したのが、

パーティモデルというエージェント・ベース・モデル(※)シミュレーション。


 
※ エージェント・ベース・モデルとは、渋滞学とかにも使われるもので、一定の条件に従って自律的に動くエージェント(個体)の動きと、他のエージェントとの間の相互作用がシステム全体に与える影響を考えるというなんとなくイマココ向き(?)なシミュレーションなのです。最近だと、StayHomeの必要性を伝えるCovid-19の感染拡大モデルとかもありました。

このパーティモデルでは、性別という属性をラベルとして、「自分と同じ属性が多いと心地よい」度合いを変化させると、カクテルパーティのテーブルの多様性が変化するというもの。それぞれの心地よさ度合いを動かすと、単一属性のテーブルが増えたり減ったりするのです。(http://edutechwiki.unige.ch/en/NetLogo#Party_model_example

自分と同じ属性に親しみをもつ感覚。安堵感。
 
自分と異なる属性に緊張する感覚。Uneasyさ。
 

これが、さかいめの一つの原動力かも。

とは思いつつ、でもこのあたりって、
 
イキモノとしての本能にも、種としての生存戦略にも、
 
権力や制御に由来するある種の不条理さにも起因するし、個人差もある。

一筋縄ではいかないよなぁ・・・
 

なんてヒヨっていたら、最近知ったのが、
 
知らず知らずのうちに自分と同じ属性に自分を重ねているという
 
社会心理学者のタジフェルによる、自尊心が差別の源泉説。
 

人は、自分にポジティブな評価を与えるために、自分が属する集団をポジティブに評価する。(中略) そして、自分の所属する集団をポジティブに評価するために、自分と同じ集団の人をひいきする。つまり自尊心を求める気持ちが、集団びいきをもたらすのだ。

(ステレオタイプの科学 クロード・スティール著 2020 英治出版)


 
この一節を読んで私の中にふとよみがえったのが、
 
誰かが褒められて、自分に対して何も言われないと、
 
なんとなく、ちょっと自分が認められてないような気持ちになる感じ。

別にそんな意図で言われてる訳じゃないのに湧いちゃう感情。


 
なんかそんな経験ありません?


 
私は時々こういう感覚になることがあって、上の話を知ったときに、
 
ああ、あのとき、私は褒められているひとと自分の間にさかいめを引いて、
 
なんか傷ついたってかんじていたのだな、と気付いたのです。

もしもこの自尊心的なものが、同じ属性の凝集の源になるのであれば、
 
自分の自分に対する感覚と向き合うことが、異なる属性に対するスタンスや、

この「あつまってできるさかいめ」を考えることのはじまりになるのかもなぁ、

とゆるゆる考えています。

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